Mind Adventure 16

籬 規那  2008-04-19投稿
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ぴゅ――
ひゅ――パチパチ〜


騙されちゃいけない。全部口です。


「お二人さんっ!熱いねぇ!!」

「だ…っだからちげぇって言って……っ」

子供に軽ーくあしらわれる馬鹿一匹と、見た目は子供、中身も子供?(変な所だけ大人w)を前にして、妖需は疲労しまくっていた。


……凄く不名誉。

なんで私がディルなんかと。



ていうか、何だそのジェネレーションギャップを感じるからかい方は。


しかも、これを期にフィレーネとジンが超意気投合してるし。


「なっ!妖需っ!」

ジンがこちらを向いて健やかな笑みを浮かべ、あははと楽し気に、憎たらしいほど楽し気に笑え。

「あははは―――!面白いねぇ。ジン!」

「あははははは!!」

ジンはとうとう頭が壊れて、笑いが止まらなくなったらしい。ご愁傷様。

「あははは!ジン!…………死にくされっ☆」

フィレーネとディルの顔が強張った。

「歯肉……っ」

ひぃっという小さな悲鳴と共に、メシアの震えまくった声が耳に届く。



そうか。そんなに怖いか。変換間違えるほどに、私は鬼の形相でした?それは失礼。(棒読み)










そうこうしている間に、船が出港する時間になった。



パ――ともプァ――とも言える、ずいぶん気抜けた音を鳴らしながら、鉄の塊が海の上を結構な速度で進んでいく。


やっぱり変だと思う。鉄の塊は水に浮かないのが自然の節理というものだ。


フィレーネ曰く、『慣れれば普通』で、深海にある、様々な海洋亜人の暮らす国(国と言っていいほどの規模らしい)でも、重宝されている技術だとか。



前にも横にも塗りたくられたような、一様の明るい青が、後ろに向かって動いて行く。





だ が し か し

「き……気持ち…悪いぃ……」

妖需とフィレーネの弱りきった声が、船室に虚しく響く。


混血は船酔いが激しい、とか言っても通じそうな位、二人共顔色が悪い。


「あ―…」

ふふ、と笑いながら、フィレーネが空中を指差す。

「蝶々……」


やばい。
やばいやばいやばいって!幻覚見てるよこの人っ


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