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日時 〇月〇日
PM 1:00〜
会場 U〇B北海道
文化放送内―\r
〇〇室にて―\r
先日、僕宛に郵送されて来た二次審査の案内を片手に、
僕は、そこに立っていた―\r
本日、二次審査当日。
気が付くと、僕はオーディション会場に来ていた。
今回のオーディションは、某プロダクションとテレビ局が提携して、行うそうだ。
そう、僕は興味があったんだ。
元々、半信半疑で送った履歴書だし、
オーディション会場がテレビ局という事だけで、行かない理由はなかった。
会場までは、バスを利用した。
それは、僕が元々電車よりバスが好きなのと、
バスを利用した方が、目的地の会場まで迷う事なくスムーズに辿り着けるからである。
バスから降りて徒歩五分で、僕はこのオーディション会場に着く事が出来た。
今ならまだ引き返せるよ―\r
心の中の、もう一人の僕が耳元で囁く。
けれど、僕の中のネガティブな僕が今、耳元で囁いた声よりも強く、
僕の中のポジティブな僕が今、
“頑張れよ”
って囁いてくれたから、
今日の心の中のもう一人の僕は、
小心者の僕ではなく、ずっと僕の理想である、強気な自分を演じる事が出来そうだ。
あくまでも、“強気な自分”は“本日限り有効”ではあるが。