月の葉書2部3−2

速見  2008-04-21投稿
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風紀)懐かしいな

風紀は思わず呟く

香雲)やっぱこの“緑”は良いねぇ

香雲は息を大きく吸い込み言った

風紀達の里は見渡す限り木々が生い茂って巨大な森と化して、どれもが樹齢1000年は軽く超えていた

その中に一つ学校が丸々入る位の屋敷があった。風紀らは八雲に案内されその屋敷に入っていく

10分程歩くと異様に大きい襖が現れる。八雲が襖の前で正座して、それに習い風紀と香雲も正座する

八雲)雲ばぁ様八雲です。入ります

そう言って八雲が襖を開けた。部屋には小柄な老婆がいた。この人が雲ばぁ様だろう

風紀と香雲は並んで雲ばぁの前に座った

香雲)ただいま戻りました
風紀)勝手に里を離れ申し訳ございません

2人は座礼をして言った。あの風紀が敬語を使っている……それ程凄い人なんだろう

雲ばぁ)話は後で聞く。それよりその子の状態が思わしく無さそうじゃが…

雲ばぁはナラビの事を気に掛けたので先程の出来事を話した

雲ばぁ)そうか……少し待っとれ……

風紀)ナラビを元に戻せるのか!?

雲ばぁ)あぁ

雲ばぁはそう言い部屋を後にした

〜5分後〜

戻って来た雲ばぁの手には箱があった。それを開けると2人は驚いた。無理も無い、雲ばぁが取り出したのはなんと月の葉書だったのだ!!

驚く2人をよそに掌をナラビの額に当てて呪文を雲ばぁが言うと

ナラビ)………あれ? 僕は……

ナラビの意識が戻った

香雲)ナラビ君!

香雲が嬉しさの余りにナラビを思いっきり抱き締めた

ナラビ)(いっ息が……

ナラビは何が起きたのか分らないようで足をばたつかせる。どこかで見た事あるような……

香雲)もう何年も時が経った気がしたよ

香雲は泣きながらナラビを再度抱き締めた

香雲から解放されるとクシャっと風紀がナラビの頭を撫でて「本当に良かったよ」と言い、目にはうっすらと涙を浮かべていた

ナラビは一体どうしたのと聞いたので、大分はしょって事を説明するが、ナラビはすぐに先程の事を思い出したようだ

ナラビ)ごめんなさい

ナラビは2人に迷惑をかけた事に謝った

風紀)謝る事ないさ
ナラビ)でっ……でも

ナラビが言いかけた時

雲ばぁ)話はそれまでにしなさい

雲ばぁが話を中断させた



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