遺書−私と彼女という現象−

あきは  2008-04-21投稿
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−第二話−
 『A』の言葉は驚きを禁じ得なかった。
<自殺だけど他殺>
意味がわからない謎掛けの様な『A』の言葉に、 私は戸惑う。
『A』は静かに笑うと先を続けてもいいかと、私を促す。私は小さな好奇心にも駆られ『A』の話しに聴き入った。


 『A』の夫と『A』の出会いはNETの中だったという。それも普通の出会い系ではなく特殊な性癖の人ばかりが集まるサイトだったという。
 『A』は彼女らしくない被虐的な人物として、加虐的な夫に出会った。
そして『A』は2年の遠距離恋愛の末に地方公務員を辞めて、相手の傍に引っ越した。
調度その頃、第一子を授かったようだが、相手の「俺、子供嫌いだし、育てる気もないからおろして」と言う言葉に打ちのめされ中絶したと聞いている。
その後、彼女はリストラやセクハラで職場を2度かえ、今は2年ほど前に仕事も辞めて傷病手当で生活している。

「なんで?」
「自分の子供を殺して、その上、裏切られて、」
『A』の瞳が明確に怒りに震えた。
「まだ、その上に裏切られていた事を知ったからよ。」
「でも、だからって…」
『A』は一瞬不敵に微笑んだ。
「彼を殺すのは簡単よ。でも死ぬより、生きていく方が辛いこともあるのよ?この世にはね…。」
『A』が言う意味は私には難解だ。一体何が言いたいのだろうか?まだまだ『A』の話しに付き合い必要性が私にはあるようだ…………。

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