「ミリス先生、エミリア先生！」
その時、後ろからミリスとエミリアを呼ぶ声が聞こえた。
「ルイス、リリー！」
ミリスとエミリアが振り向くと、ルイスとリリーが駆け寄って来るのが見えた。そして、それに続いて町の人たちが、皆一様に不安そうな表情を見せながら、ミリス達の方に向かって来ていた。
「ルイス、リリー、町の人たちにはここから離れるように言って！大変な事になってるから！」
「え…、何かあったんですか？」
「とにかく、あの熊と変人が、この町を破壊しようとしてるのよ！だから早く！」
ミリスは必死の表情で、二人の方を指差して叫んだ。「わ、分かりました！おーい、皆、ここから離れてくれってさ！」
ルイスはそう叫んで、町の人たちにここから離れるように促した。
「熊と変人かよ…、お嬢ちゃん、センス無いなあ」
男はぽりぽりと頭を掻いて、苦笑した。
「何よ！あんたたちの名前さえ知らないんだから、しょうがないでしょうが。ていうか、そうとしか形容できないし！」
「…名前ねぇ。まあ、冥土の土産に教えてやるか。俺はグラム、こいつは…あー、サイラスだ。あの世で覚えてろよ」
グラムと名乗った男はそう言うと、にやりと笑って剣を鞘に収めた。
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