時々、あの人は僕に昔の体験談を聞かせてくれる。
「私ね、昔霊が見えたの。だから、いっぱい霊を成仏させたりしてたの。子供の霊、大人や動物・・・。」
あの人はどこか哀しそうな表情で続ける。
「有坂由美って、言う成仏出来てない霊がいたんだ。その娘ね、ずっと病院で両親を待ってたんだって。可哀相だった。でも私は・・・・。」
あの人の顔が厳しくなる。
どうしたの?お話は?
「私は・・・。」
あの人は話しをやめた
「また今度話すよ。御飯にしよう。」
?僕はあの人の笑顔をずっと見つめた。偽りの笑顔を。何かを隠している。
それが僕にはわかった。