スノーグッバイ 〜届く前に溶けていく。〜2

東梅 しあ  2008-04-22投稿
閲覧数[212] 良い投票[0] 悪い投票[0]

段ボールを開けると中身は青年漫画雑誌の
『週間ヤングスパーク』中高生の男の子が買っていく人気の雑誌だ。
(ああ、これね…)と心の中で呟き、雑誌を5冊、手に取り漫画雑誌コーナーに慣れた手つきで並べた。
そしてまた奥へ引っ込み再び5冊抱えようとした時、いつもならあまり気に止めない表紙のグラビアにくぎづけになった。
そのまま1冊を握りしめたから、4冊はバサバサと小気味よい音で床に落ちていく。
「うそでしょ?嘘、この娘って…。」
表紙をめくる。

『北国育ちの清純パイン☆飾らない笑顔に僕らはメロメロだっ!!』
頭軽そうな煽り文句の下でオレンジ色の、ビキニを着た女の子。『朝倉 なゆき』

「なゆき…。名雪だ。『浅倉 名雪』」

長い黒髪に真っ白な肌。体型は決して細くないけど健康的でとにかく強調された大きなFカップの胸。
子猫の様にくりくりした目、鼻は高くないけど、唇はふっくら。

さらにページをめくる。

『どこかで出会った事のある、そんな優しい気持ちをくれる。天然素材の19歳。』
と書かれたグラビアでは、古い和風の屋敷の縁側で白いワンピースを着た名雪が、こっちを見つめていた。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 東梅 しあ 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ