チャリを止めてマックに入った。ポテトとウーロン茶を頼んで席に向かう。窓際の席に吉川が座っていた。
「よう」
「あっ大木」
「待った?で、わからない問題はどれッスか?」
「えっとね、この図形なんだけど」
「あぁ、これは…」
学校でしていたように極力わかりやすいように説明する。
「あー、なるほど。大木って説明上手いよね。かてきょーとかできそう」
「好きでやってんじゃないんだけど…」
「あはは、ですよねぇ…」
「まあいいけど…後は自分でやってみ」
「はぁい」
ポテトを食べながら、勉強している吉川を眺める。会話もないが、逆に気が楽だ。心地よい時間が流れる。
「終わったぁ!」
30分程して吉川が伸びをしながら言った。
「お疲れさん、ジュースでもおごってやるよ」
「えぇ、いいよ、悪いし」
「よく頑張ったで賞、だな。あと遊園地の時の借りも返さなきゃだし」
「別にいいのに〜そうだ、ジュースはいいからさ、今度映画見に行こ」
思わずポテトを落としそうになる。
「はい?」
「だから、映画」
「2人で?」
「うん」
何なんだ、この展開は!一体吉川は何を考えてるんだ?これじゃまるで…
「デートしよ」
吉川が言った。