気がついたらアタシは母親を殺して、祐司は父親を殺してた。『祐司…私達…人を殺しちゃったよ…』『うん…』『しかもっ…自分達の親を…捕まるのかな…ヒック、うっ…でもこんな親許せないよっ…』涙が止まらなかった私を祐司がそっと抱きしめてくれた。『許さなくていい…こんな奴ら。最低なんだから…それに俺だって零と同じ事をした。だから…心配するな、何があっても俺が守るから。』『うん…。私も何があっても祐司を守るから…誰も私達の味方になってくれなくても、私が味方になるからね。』祐司は優しく笑った。人を殺したとは思えない柔らかな笑顔だった。『さて…どぅしようか…』それからが大変だった。死体をどうするか。人に分かる所に置けばすぐに身元がわかり、此処で働いてる事がバレたら私達も捕まる。『俺、この店にいるからそうゆう筋の人で知り合いがいるんだ。親父だと何かとあるから…お前の親はそこに送っていいか?』−詳しくは解らなかったけど、想像はついた。そこで死体を処分するということを。もう後悔はないよ…私を地獄に落とした母親がいないなら…『いいよ。処分して。』『わかった。親父は俺が何とかする。』幸いどっちの親も血は出ていなかった。私が店を辞める事は祐司から店に伝えてもらい、私はこの店から去った。祐司はまだ店に残る事にした。死体処分の為に。こんな事をして本当に恋人かと問う人もいるはずだ。でも少なくとも私と祐司は愛し合っている。恋とか絆なんかとゆう言葉より、遥かに重く、深い愛情で。決して離れなれない、楔で結ばれたから。だけど、辿り着いたのは、お互い親を殺し、一生犯罪者として生きていかなければならない、闇の道だった。光なんて闇の間から途切れ途切れに見える微かな光しか私達には届かなかった。