殺してみたい。
僕は人を殺したい。殺したくてたまらない。
血を見て、実感したい。
ああ、命が流れていく…って感じたい。
でも殺すなら綺麗な人がいい。
顔じゃなく、ココロが。
そんなひとって限られるよね。
大人は大程、いないよ。じゃあ子供ってなると…確率は上がるかな。
赤ちゃんは綺麗もなにもココロがないし。
第一、つまらない。
僕は殺されるのがわかった時の人の顔がみたい。
僕という取るに足らない人間に奪われる、輝く生命の瞬間。
殺したいよ。
僕の生きる糧になって。
両親は最後でいいや。
いや、生きていてもいいかな。
僕が捕まったときの彼らの顔がみたい。
決めたよ。
僕はたくさんの罪のない汚れない魂を手に入れることにした。
ああ…。
楽しみだなぁ…。
あれ?
五百円が落ちてる。
誰かが落としちゃったのかなぁ?
あそこにお兄さんがいるな…。
…こっちを見てる。
これ、あのお兄さんのかな…?
あの、これお兄さんのですか?
違うよ。
そうですか、すいません
それ、君が拾ったんなら貰っちゃっていいんじゃないかな?
え…うーん。いいです。うちの側に交番があるから。
合格…だね。
えっ?
いや、なんでもないよ。
…交番に行かなきゃ。
命を奪うって簡単だなぁ…っていうのが正直。
子供の首って細いから、すぐ終わっちゃったよ。
でも、はまるね。
こんな興奮、他じゃ絶対に得られない。
気持ちいいってこういうことかって初めて思ったよ。
あの娘の瞳。
僕を信じ切って見つめた目がひっくり返ってさ…体中がビクビク引き攣って、泡を吹く。
本当に泡って噴くんだね…ちょっと笑えたよ。
このこは何を思って笑っているのかしら。
最近、このこの考えが解らないわ。
普通とは少し、少しだけ違う気がするのよ。
ねえ。
なぁに、お母さん。
あの行方不明の女の子のこともあるから、学校終わったら早く帰ってらっしゃいよ?
最近遅いわよ。
うん。新学期だからつい新しい友達と遊んじゃうんだ。
そう?ならいいけど…。
ごめんなさい。
あなたはまだ八歳になったばっかりなんだから、本当に気をつけてね…。
うん。でも本当に新しい友達って面白いんだ。
なんでも僕の思う通りになるんだよ……