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少年は隣の家に住んでる中学生だった。
どこか勝ち誇った表情で、ほくそ笑んでるように見えた。視線は強く、店員をじっと睨んでいた。
それから数日が経った。好天に恵まれない日が続き、僕もいまだに晴れはこない。
ボーッと幾つもの暗雲から延びる線を見詰めながら時をやり過ごしていた。
こんな雨の中誰だろう?自宅のチャイムが響く。おもむろにに玄関を開けると厄介な営業マンだった。
欝陶しい、面倒臭い、迷惑だと同時に、こんな雨のなか感心させられる。
「うちは結構です」そう丁重にお断りするが、営業マンはなかなか引き下がろうとしない。
「イラネーつってんだろ!帰れ!」最後はいつもこんな形で幕が降りた。
営業マンは勢いに退いて、たじたじと退散していった。どうやら次は隣家に飛び込むようだと、僕は営業マンの動向を眺めていた。
隣家は例の少年の家だった。