私が一番好きな物語は、「シンデレラ」。
ベタかもしれないけど、いつか王子様がくるって夢見てた。
そして――
本当に王子様が来てしまった――
この前図書館で出逢った彼は、あたしより3歳年上で名前は《田崎優》
漢字の通り、とても優しくて
髪は茶髪、目は切れ長で背がとても高い。
本当に王子様みたいな人だな〜♪と思った…
今は、バイトと将来の夢のために勉強中らしい……
その日のうちに、メルアドを聞いた。
普段はそう簡単に人は信じないんだけれど…なんでだろう……彼は違う気がした――
そして、少しずつ仲良くなってほぼ毎日図書館で会っていた。
帰りは「夜だから心配だ」って言って、家の近くまで送ってくれる。
こういうところも、優しい。
だって普通、彼女でもない人にこんなことしないでしょ?
そういえば、あたしは一緒に帰るようになってから彼のことを「優」と呼んでいた。優もあたしのこと名前で呼んでくれている……
「ねぇ、優は一人で暮らしてるの?」
「うん……」
「今度行ってみてもいぃ??」
「いいよ。――けど、可愛い子が一人暮らしの男の家に行くもんじゃないょ、何されるか分かんないぞ。」
「えっ!??……んーと…?」
「あぁ…ごめん。俺は、たぶん そんなことしないから」
「う///…たぶん……??」
「ははっ(笑)じゃー…これから行く?」
「うんっ!行きたい!!」
そして、優とあたしはまるで恋人のように、おしゃべりしながら、帰り道を歩いた―――