喫茶10

湯島 朗  2006-05-06投稿
閲覧数[383] 良い投票[0] 悪い投票[0]

 潰れる。そう聞いて私達は時間が止まった様に思えた。秒針が進むが遅い。いや。明日潰れるならその方がいいかも。


 どうして喫茶10が潰れる事になったかと言うと、実はあるこの事で裁判になったらしい。関東さんがその子を無理矢理連れて行ったと訴えられ裁判になった。いくらその子が否定しようと親は聞かなかった。結局その子は自殺。その責任も関東さんに押し付け喫茶10を買った。そして、潰す事にした・・・。


「私も、ついてないものですね。」
 はは、と小さく笑う関東さんの目は何も写していなかった。絶望。それだけが関東さんから感じられた。
「不幸になる権利はない・・・。」
 不意に関本君が言った。
「僕らは何かのために一旦不幸になってるんだ。何かを・・・・乗り越えるために・・・。だから
 ・・・。僕らが不幸になる・・・・・・・・権利はない・・・・。」
 初めは威勢が良かったけど、やっぱり緊張して最後の方は言葉が詰まっていた。けど、わかる。私達には不幸になる権利はない。私も、病院で香音ちゃんと話した。でも、その続きは分からなかった。じゃあ、どうして不幸になるのか。そうかもしれない。関本君が言う通り、何かを乗り越えなければならないのかもしれない。
「ね、ねぇ・・・。」
 香音ちゃんが口を開いた。
「私に考えがあるの。」

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 湯島 朗 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]
アプリDLで稼ぐ!
“Point Income”


▲ページトップ