遺書−私と彼女という現象−

あきは  2008-04-26投稿
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−第六話−
 『A』は、自嘲気味に笑って、吐き捨てる様にいう。
「結婚したら何かが変わって幸福になると思っていたの。」
まだ、子供だったわと『A』は呟いた。

 新しい職場をみつけ、その半年後に『A』は男と結婚した。それから半年は何事もなく穏やかな生活が続き、結婚して幸福だと本当に心から感じていた。

しかし、一つ問題は起きていたのだ。それは『A』ではなく、男の職場。
男は毎夜のように午前様で『A』に車で迎えに着てくれと言った。
『A』が翌日朝8時半から仕事でも、当直あけでも、お構い無しで午前2時に呼び付け、尚且つ他の仕事仲間を送る。
『A』は次第に疲弊していった。
「疲れた。」という言葉か殖え、睡眠は平均しても2〜3時間。でも自分の仕事てミスは許されない。疲労は慢性的に積もり続けた。

結婚して半年、年末の忘年会にでていた『A』に突然、そのメールは届いた。
<パンパカパーン!今日で退職。明日から仕事にいきませーん。>
血の気が引き、飲んでいたアルコールが吐き気になった。

(何を考えているの?)
(相談もなく突然何故こんなメールがきたの?)

『A』にも考えても解るわけがなかった。帰宅して最初に問い詰めるしか出来なかったのだ。
「どういうこと?!」
男は悪びれもせず笑う。
「だから、辞めたんだよ。明日からずっと一緒にいられるよ、嬉しいだろ?」
「先は考えているの?」
『A』の反応が気に入らないのか男はふて腐れた様に言い放った。
「仕事したくないんだよ!2〜3年フラフラしたいんだよ!!」

『A』は目の前が真っ暗になった。貯えもないのに独りで家計を支えなくてはならない。夢だった子供も、こんな状態じゃもてない。こんな状況を望んでたんじゃない。

(どうしたら…いいの?何が間違っているの?)

 ただ、『A』は苦悩するしか出来なかった。

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