執行人ノ採用試験×5

ジャック・ザ・ライター  2008-04-26投稿
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後日。
先日の事件現場で気絶させられた新米警官は、新たな修羅場に立たされていた。もっとも、今回は誰の血も流れず、彼が肉体的ダメージを受ける展開は、どうあっても訪れないのだが。
彼は事件後すぐ病院に搬送され、異常無しとの診断を受けたが、その間目を覚ますことはなく、結局その後丸一日眠り続けた。彼が目を覚ましたとき、事件発生から既に二日近く経過していたが、その割にはメディアが全く事件を騒ぎ立てておらず、そもそもその報道自体がなされていないようだった。明らかにおかしい。東京のど真ん中で起きた殺傷事件。被害者の身体を見たのは極僅かな時間であったが、それは「凄惨」の一言に尽きた。自分が腰を抜かしたとき、背後に野次馬が集まっていることが、恐怖により研ぎ澄まされた感覚器官ではっきりと感じ取れた。あれだけの目撃者がいたのだ。マスコミがこの手の凶悪事件に、飛びつかぬはずがない。この事件には何らかの圧力が働いているのか―――?
ガチャリ。
そこまで思考したところで、唐突に病室のドアが開かれた。
「お、目を覚ましたな」
そこに現れたのは―――



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