「うそ!キッチンも本当にプライベートなのね!?あぁ…ヤダ!この出窓最高!!」
私は新しいアパートが想像をはるかに越えて素晴らしかったので思わず興奮してしまった。
「バスルームはシェアって言ってたわね…?この扉の奥ね?」
私はワクワクしながらキッチンの横にある白いドアを開けた。
僕は部屋に入り、ドアの前で突っ立ったまま考えていた。
まさか彼女が新しいルームメイト!?
空き部屋の方から彼女の騒ぐ声が聞こえてくる。
「あぁ…嘘だろ?どうしよう…なんで…」
戸惑いながら部屋をウロウロしている自分を落ち着かせ様と、冷蔵庫から水を取り出し一気に飲み干した。
ガチャッ
空き部屋と僕の部屋を仕切っているドアがゆっくりと開いた。
ゆっくりと開いたドアと壁の隙間から彼女がひょこっと顔を出す。
ペットボトルを握った僕と彼女の目があう。
「えっ…?あの…あなたはさっきの?あれ?何で…もしかしてルームメイトって…あなた?」
驚き戸惑いながら彼女は言った。
「…えぇ。僕が隣の部屋のルームメイトの募集をかけたんです。てっきりジェイが越してくるもんだとばっかり思ってて…。あの…本当にあなたが…?」
「ジェイに新しい部屋を探すの手伝って貰ってたの…ジェイは私が部屋を探してるって言わなかったのね?あぁ…本当にごめんなさい。」
彼女は口を押さえながら謝った。
「いや、あなたが悪い訳じゃないから…。」
「あのっ!今から他のアパート探しても間に合わないし、それに行くところもないから…その…あなたさえよければここに住まわせて貰えませんか?近いうちに必ず他のアパートを探しますから…お願いします!」
勢いよく言った後彼女は深々と頭を下げた。
「頭を上げて。僕はあなたがよければ全然構いませんよ?僕はロビン。ロビン・ウォーカー。よろしく!」
そう言って手を差し延べた。
「…ありがとう!助かります。さっきも言ったけど私はサクラよ。こちらこそよろしく!」
こうして僕は一目惚れしたあのバス停に立っていた女性と同居することになった。