いつも空は青かった。今も、あの時も。
僕は兄と両親の四人家族だったが、僕が小学五年生の時に両親は事故にあって死んでしまった。その後は母の実家の方に住ませてもらっていたが一緒に住んでいた祖父母も三年前に死んでしまった。その時僕は高校に入学したばかりで兄は大学を卒業し、社会人になっていた。その時から僕は兄と二人で暮らしていた。
僕も自分の学費は自分で稼いでいた。楽ではないが辛くはなかった。
ある日の日曜日、僕らは二人とも仕事が休みで久しぶりに一緒に遊びに行っていた。その時僕らはこんな会話をした。
「なぁ、父さん達がよくいっていたこと覚えてるか?」
「空が青い理由だっけ?」「ああ、空が青い理由だ。父さん達は空が青いのは、自分達を見守っている人があの空にいるからだ、って言ってたよな。」
「そうだね。俺は今でも信じているよ?」
「俺もだよ。」
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