文学の視点からだと、英文学的に最古の叙事詩は、[ベオウルフ]だという…、
が、映画ファンからみてみると、まずは、[指輪物語]ありきであろう。
高校時代のジョージ・ルーカスが、交通事故で入院中に、指輪物語や、様々な民話を読み、でき上がった物語が、[スター・ウォーズ]である。
何かのあとがきに書いてあったが、ファンタジーとは、現実世界のメタファーであるらしい、物語に入り込み、主人公達と、幾多の苦難を乗り越えて行くことにより、現実世界での苦労も、乗り越える力がつくものであるべきだそうだ。
なるほど、[指輪]が書かれたのは、第2次世界大戦直後、暗黒世界に支配された、絶望的な状況下で、知恵も体力も、仲間とのコミュニケーション力も、フルに発揮し、時には楽観的に構え、世界を救うところは、歴史も物語も、よく似ているし、学ぶところもある。
…2001年9月11日、第3次世界大戦勃発ともいえるNYテロ後、アクション映画やスパイ映画は、息を潜め、あるいは公開延期になったが、代わりに、人気を2分する2大ファンタジー映画が現れた…、
本家本元の[ロード・オブ・ザ・リング]と、[ハリー・ポッター]である。
どちらも、20世紀に書かれた原作であり、テロ以前には、公開準備が整っていた映画だが、人気の高さをみると、やはり、普遍的なテーマを扱うファンタジーは、世の中が混沌としている時には、人々に必要とされる、現実世界のメタファーであることが、証明されている…。
そして、物語の完成度や、映像技術の発展の貢献度を考えると、やはり、ファンタジーの基本は、原作的には[指輪]、映画的には[スタ・ウォーズ]であると、再三実感されるのだ。
[ロード…]が完結した後も、続々と、[ナルニア国物語]や、[ライラの冒険]が、シリーズ的展望で、制作・公開され、日本でも、[ゲド戦記]が長編アニメ化、ハリウッドでは、なんと3DCGで、[ベオウルフ]が映画化された。
まだまだ、ファンタジー映画ブームは続くであろう、
…私は、映画ファンとして、主人公達の機転や機知を活かした活躍や、巨額の制作費と高度な技術を、楽しみにするだけでなく、もしものハプニングを、強く、賢く、時には楽しんで乗り越えるヒントが、発見できれば…と、考えている。