私は人生に疲れてあの公園を訪れた。
両親が喧嘩ばかりして家では居心地が悪かった。付き合っていた彼氏には体の関係を持った次の日から連絡をとれなくなった。仕事でも上司やお局様にパワーハラスメントをあい、会社に来て机をめちゃくちゃにされていたり、トイレから閉じ込められた事もあった。
そんな自分を追い込まれて私は死を決意するためカミソリを持ってあの公園を訪れた。
あの公園には色々な思い出があった。
小さい頃お父さんに肩車をされたり、友達とおままごとしてたり、ベンチから見るマンションの灯りが好きだった。
そんな思い出が詰まった公園で死ねたらいいなと思ってた。公園に入ると誰もいなかった。
ベンチに座り今までこらえてきた事を泣き出し、そして頭が真っ白になって、次の瞬間、カミソリの刃を右手にもち、左手首に持っていこうとしていた。
そしたら「止めろよ」とカミソリを捨てられた。
あなたはギターを持って、息を上げて私の所まで走ってきた。
それがあなたとの最初の出会いだった。