車の中でキョンと楽しく話をした。
キョンは朝、ワクワクしてあまり寝る事が出来なくて飛行機の中でウトウトしてると前の座席に頭をぶつけてしまった事や、俺がいつもキョンにドッキリを仕掛けるのは意地悪だとかそうじゃないとか、色々。
二人の空間はいつも触れ溶け合っている。
とある駅にあるレストランに着いた。駅員のいない駅で古い駅舎の中にあるレストランは板張りの壁でレトロを感じさせるオレンジの間接照明があり、とても雰囲気がある(この駅は実際にありますが、場所については省略させていただきます)お店だった。
『何?ここパンフレットに載ってない、てかただの駅でしょ??』
「駅だよ。でもね」
話しながら俺は扉を開けた
(いらっしゃいませ)
男のシェフが渋めの声で言った。
「この前連絡したソウキュウですが」
(これはソウキュウ様、お待ちしておりました。さっそくご用意させていただきますので御席の方へどうぞ)
とても丁寧な口調が駅を少し改造した店内に響く。キョンは
『へぇ〜凄いなぁ〜。』
「このレストランかい??」
『違うよぅ、ソウキュウ様だって(^o^)』
キョンはたまに関心してる所がズレる時がある、
『楽しみ楽しみ』
キョンは待ち切れないらしい。窓からは駅のホームが見える。田舎の駅は都会と違ってあまり整備されていない。コンクリートはヒビが入り、ホームの端が所々土が見えている。街に住んでいる人にはタイムスリップした風景がここには流れている。
二人はそれをずっと眺めていた。たまに俺のお腹がウシガエルのような音を鳴らして、キョンの笑い声が響くくらいで他は何も会話がなかった。
(お待たせしました。)
シェフが持ってきた料理、それは
ビーフシチュー
ソウキュウは事前にこの店にTELをしてこの料理を予約していた。
「この料理で大丈夫だったかな?」
『うん!お腹すいたよぅ』
二人はスプーンでルーをすくい、口に入れた。
とても上品な味が口に広がる。キョンもこれには驚いていた。二人は一気にビーフシチューを食べた。満足感と至福の一時が皿を見れば一目瞭然だった