俺が愛した女の名前はみどり。茨城に住んでいる。身勝手でわがままだ。すぐに泣く。
俺が愛した女の名前はみどり。色白で声がかわいい。笑うとエクボがある。
俺と知り合ったのは、みどりのダンスを見に行った時。一目惚れだった。背が小さい。ピョンピョン飛ぶ。でもリズム感がいい。一目惚れ。
恋愛は人並みにしてきたが、初めて欲しいと思った女。
１６の俺。知り合った時、みどりは２０歳。見えない。あれは童顔すぎるだろう。タメかと思った。
みどりはモテル。競争率は高い。だが、誰にでも優しい。本人は天然なのか何も気がついてない。本当に迷惑な女。
みどりには傷がある。親の自殺。人の裏切り。レイプ。
初めて話した時、一発で分かった。俺を避ける。俺を拒む。俺から逃げる。マジ凹む。
俺は、学校が嫌いだった。大人になりたくなかった。音楽だけあれば生きていけた。その時までは。
みどりは、片方の耳が聞こえてなかった。右の耳。
みどりは、笑わなくなってた。
みどりは、空ばかり見てた。
誰よりもあいつを見てた自信があった。
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