「っ!」
肌を裂くような鋭い痛みが俺の右頬にはしった。
「軽く触れただけなのに」
先程殴られた頬は、軽く触れただけでかなり痛んだ。
俺は泥の付着した制服をパッパと軽く掃った。
そしてゾンビのようにズリズリと歩き、通い慣れた通学路を歩く。
「まだ、三年もこんな生活が残っているのか・・・」
小学、中学校の違いに高校生になっても慣れないでいた。
いや、こんな生活慣れていいはずがない。
慣れる訳がないんだ。
途中、この町で一番大きい公園、楓公園を通りすぎた。
「そういえば、毎日通っているけど中に入ったことないんだっけ」
今日ここでこの公園を気にかけたのも何かの縁だとおもい、中に入ってみることにする。
百段はあろうかと思われるほど長い階段を駆け上がり、公園に入る。
中は普通の公園・・・というよりただの広場だった。
何もない故、広く感じた。
そして奥にさらに階段があった。
先程の階段より長そうだ。
・・・
少し迷った末、登ることにする。
「す、すげー」
俺は思わず感嘆の声をあげた。
そこからの眺めは町を一望できた。
「うっ」
海の果てに沈みかける夕日が眩しくて、思わず目を閉じた。「でも綺麗だ・・・」この日見た夕日はこれからの俺の人生を照ら