カラン♪コロン♪
喫茶店のドアを開けると中から、
「いらっしゃい。」
と声が聞こえた。この店の主人の年配の男性が笑顔で迎えてくれた。
「あ、どうも。コーヒーを下さい。」
僕は主人の目の前のカウンター席に座った。
「はいよ。」
差し出されたコーヒーは、なんだか見覚えがある。だけど、思い出せない。この流れている曲も…聞いた事があるはずなのに。。。
ふと、1人の女性の名前が頭の中に浮かんできた。
「あや…。」
名前を呼ぶだけで、胸の奥がしめつけられるようだ。それと同時に、とても恋しい気持ちになる。店の中で流れる曲が僕の記憶を呼び覚まそうとする。
何かを思いだしそうなのに、それはなかなか出てこない。
「あや…。君は誰だ?」