私は死に神、名前はない。私の仕事は人の命を奪う事。今まで何人もの命を奪ってきた。仕事に後悔はしない。だけど初めて仕事で後悔した。ある男の子の命を奪った事に。私はその男の子に恋をしていた。死に神なのに。
あの日、その男の子に恋をしてから仕事そっちのけで男の子を眺めていた。ある日私の上司から直接呼び出しがあり、仕事を言い渡された。仕事の内容はあの男の子の命を奪う事だった。私は嫌だと言った。すると上司は別の死に神にやらせようと言った。私は反対した。しかし何も変わらぬまま仕事は決定した。私は悩んだ。後一月すればあの男の子の命は無くなる。死に神の私にはあの子を助ける事は出来ない。そして悩んだまま一月が経ち、仕事の日がやってきた。私は結局逆らう事は出来ず、仕事をした。男の子の命を奪った。そして私の恋は終わった。
私はあの男の子の命を奪ってから一度も恋をしなかった。私は今でもあの仕事を後悔している。