街が見えてきたところでリィンは獣化をやめ、地面についた。
色々と問題になるからだ。リィンは門から街に入ろうとしたが、門番てきな者二人にとめられた。
「き、危険物の確認をさせてもらいます」
相当ビビってるようだ。
まぁ無理もない。
「異常無しです。ど、どうぞ」
門が開き、中へ入る。
すると、活気のある声がリィンの耳に入った。
檻の中にはない、色とりどりの風景がリィンの心を揺さ振った。
「街ってなんかうるせーとこだな…」
そんなことを言いながら歩いていると、近くの宿から喧嘩っぽい声が聞こえた。「少しぐらい遊んでくれたっていいだろ〜?」
「だから言ってんだろ!!
ここはキャバクラじゃねーっての!!」
この会話に苛立ったリィンは、その二人に近付いた。「…ああ客か?今ここのオーナーは俺の相手で忙しい…!」
話の途中でリィンは男の首を掴み、持ち上げた。
「話をするな。てめーみてーな変態の声はカンに障る。わかったら失せろ」
男を投げ飛ばしたあと、リィンは振り返り、言い争ってた女の方を見た。
「ここに泊めてくれ」
少女はポカンとした顔で、リィンの目をじーっと見つめていた。
(続)