Love story in N.Y

Velma  2008-04-29投稿
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「今ちょっと時間ある?」

握手をしながら彼女は聞いた。

「あぁ…うん。」

少し戸惑い気味に答えた。
正直時間なんてない。明日までに新企画を考えなきゃならないんだ。
だけどあの時一目惚れした女性が目の前に立って聞いている。
これを断る馬鹿はいないだろう?



「よかったらコーヒーでも飲みながらお互いの事を話したいんだけど…。同居する上でお互いを知る必要があると思うの。」

彼女は笑顔で言った。

「そうだね。僕がコーヒーを入れるから適当に座ってよ。」
「ありがとう。」

彼女は窓際に置かれた椅子に腰掛け、コーヒーを入れる僕を見ていた。

「それで?何から話そうか?」

ヤカンを火にかけ、僕も椅子にかけた。

「始めからね。名前はサクラ・ヨシノ。日本人よ。日本の福岡って所から一年位前にニューヨークに来たの。今月で語学学校を卒業するんだけど、こっちで働きたいから現在就職活動の真っ只中!歳はもうすぐ25歳よ。」

彼女は笑顔で自己紹介をしてくれた。
楽しそうに話す彼女を見て僕は思わず笑ってしまった。

「ははっ。」

煎れたてのコーヒーを手にして聞く。

「ミルクと砂糖は?」

「両方お願い!ねぇ?今何で笑ったの?何か可笑しかった?」

僕を覗き込むように聞いた彼女にコーヒーを渡しながら答えた。

「あぁ、いや。ごめん。可笑しかったんじゃないんだ。僕のイメージと全然違ったからビックリして。」

そう答えてコーヒーを口にした。

「?イメージ?」

「僕は日本人は何て言うか、ほら、いつでもポーカーフェイスだと思ってたから。いい意味でイメージが崩れたよ」

そう言うと彼女は笑いながらコーヒーカップを握りしめ答えた。

「あはは!確かにあなた達に比べるとポーカーフェイスね。でもいつでもって訳じゃないのよ!これからあなたの国の文化を私に教えて?そうすればお互いよく理解し合えて同居も楽しくなるわ」

彼女は真剣に僕の目を見た。

「そうだね。」

僕はそれだけ答えるのが精一杯だった。

一目惚れしている女性と目が合っているんだ。緊張しない訳がない。

ダークブラウンの瞳に僕が映る。

僕は心臓の音が彼女に聞こえていないか心配だった程、ドキドキしていた。



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