やがて、少女(といっても男っぽい感じが多少ある)は微かに笑った。
「あんた宿も知らないのか?金払えば泊まれるんだよ」
「金が無いから頼んでんだよ…」
リィンの言葉に、少女は大笑いした。
「わ、笑うなよ!!とにかく泊めてくれ」
笑いがおさまるのはもう少しかかりそうだ。
「わりぃわりぃ、間抜け過ぎてつい、な」
ほとんど言い訳になってねー。
「…で、どーなんだ?」
「んー…部屋貸すわけにはいかねーからな…」
リィンの表情に、焦りが生じる。
「駄目か…?」
「俺の部屋でならいいぜ」「…え?」
リィンは驚き、赤くなった。
「な…お前女だろ!?」
「何照れてんだ?部屋貸すだけだろ。それとも何か変な想像でもしたのか?」
「……」
否定は出来ない。
リィンは済まし顔でなんとかごまかした。
「ま、いいけど。部屋教えてやるから来いよ」
「あ…あぁ」
二人は宿に入った。
(続)