常時同じ景色を映す窓に後頭部を預け、白メインの年期の入った天井を仰ぎ見ながら、俺は電車の軽快なリズムに体を任せていた。
考えているのは先程の少女の事。
あの後、何があったのかは解らないが気がついた時にはただ呆然と横を向いていた。
そして時刻は五時半を指していたので、日が暮れる前に家路に向かうことにしたのだ。
この分だと帰宅時は大体八時だろう。
誰もいない電車の中
俺は眠りについた。
そして夢を見た。
木造の教室で一人の男がいる。
その男の周りには沢山の男女がいて、みんな談笑していた。
その時。
男の顔が見えた。
輝いていた時の俺たった。
南岳〜南岳〜こちらはぁ〜南岳ですぅ〜
間の抜けた聞いているこちらも脱力してしまうような。
アナウンスが響いた。