「逃げよう！嫌な予感がする！」
ロイはそう呼びかけると、町の東にある森を指差した。
「馬は森の中まで入って来れない。とにかくあそこに向かって走ろう！」
「お、おう！」
「分かったわ！」
二人は頷くと、ロイと共に一目散に森の方へと駆け出した。
瓦礫の上を走っていく事になり、三人は何度もそれに足をとられそうになったが、何とか森まで辿り着いた。
「はあ、はあ、大丈夫？二人共」
「ああ、何とか…」
「私も同じく」
三人は息を弾ませて、側にある木の根本に座り込んだ。
「追って来るかな、あいつら…」
「分からないけど…でも、見つかったらもうどうしようもないよ…」
「そうね…もう戦う体力は残って無いわ」
三人は一つ大きくため息をつきながら、木に寄り掛かった。
「くそ…しかし、何なんだあいつらは…もう、訳分かんねぇ…」
ルイスは髪をがしがしとかきむしりながら、頭を振った。
「ルイス…今はもう何も考えない方がいいよ。ゆっくりと身体を休めて、それからだよ…」
ロイはそう言うと、濡れた上着を脱いで、そのまま目を閉じた。
「そうだな…俺も疲れたよ…」
「私も…」
ルイスとリリーはそう呟いて、濡れた上着を脱ぐと、静かに目を閉じた。
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