黒猫。  2008-05-01投稿
閲覧数[317] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「人間失格」
「…私のコト?それ…」
姉の咲夜がいきなりいった言葉だった。

咲夜は人間失格の本は持ってないし、今見ているテレビで人間失格の本の事を言っていないから私のコトだと思った。
だって私(月香)はずば抜けて頭が良くて運動神経もとてもいい。文武両道って奴だ。あと通知表もオール5。それに比べて咲夜は勉強は学年で213人中206位で、とても悪かった。運動神経もあまり良くない。通知表はオール2。ほぼ全部が人並み以下だ。

だから成績優秀の私(妹)をいつもいじめるのだ。例えば、「お前なんてこの世にはいらない!二万年後に生まれろ!」とか「あんたみたいな完璧な奴はロボットなのよ!」とか。ひどいときにはクッションを投げてきて「…死ね!ロボット!」って言ってきました。

なので、今回の言葉(人間失格)は私に向かって言ったと思いました…が!
「違う。私のコト。私は何やってもダメだから人間失格だなぁって。もう…だめやなぁ…って思ってさ。」
「お姉ちゃん…悪いの…食べた?」
私が言った言葉が悪かったらしい。すごく恐い目で睨まれた。でも姉がそんなコト言うなんてビックリした。
「私っ…!感激っ…!!」
「感激しなくていいんだけど?」
殺気に満ちた咲夜が聞いてくる。火に油を注いだようだ。これ以上話すと爆発しそうなので、私はしらばっくれることにした。
「ハ?ナニモイッテナイヨ?」
「その棒読み自体が言った証拠何だぁー!」
やっぱばれたか…。なんか妙に鋭いからなぁコイツ…(←もはやコイツ呼ばわり)
「…チッ…」
自分にもあまり聞こえない位小さく舌打ちした。
「舌打ちしたろ?今したろ?あ゛ぁ?!」
あらら…。この人、地獄耳かよ。恐いなぁ…。鬼のような顔をしている咲夜から逃げる月香。

その様子を隣のキッチンから見ている人がいた。その人物とは
「恐い恐い咲夜に追いかけられてよく笑ってられるよね…。」
長女.愛と
「いーい?愛。あれがあの子の特技なのよ…。」
この家族の母親(宮)だった。母親はふとこんなコトを言った。
「…私はあなたがいてよかったわ…。」
「私も…。母さんがいなかったら死んでたかも…。」
手を堅く握る母と愛でした。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 黒猫。 」さんの小説

もっと見る

その他の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ