「今日からよろしくお願いします。」
薫はさっそく職員室であいさつをした。
「君は壊れたところの修理を頼むよ。」
学校での仕事はただの事務だった。このほうが護衛は楽だが正直、涼でもよかったんじゃないかと思ってしまう。
まわりながらある教室を目指していた。
4年B組。護衛の相手である村上碧のクラス、ここに向かっていた。
運がいいのかわるいのか歩もこのクラスらしい。
すでに一限目が始まっているので、教室内は静かになっていた。
探していた少女はすぐに見つかった。窓側の席の最前列、おとなしそうな少女が村上碧だとわかった。
存在を確認するとすぐに教室を離れた。
すべきことは護衛としてくっついていることより、ばれないように危険を排除すること、そう考えたからだ。
結局、初日はなにもおこらなかった。