カミサマ 〜光の雪?〜

BgwP←/  2008-05-04投稿
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「町に出ようか」

 気まぐれに、彼は言った。

 ちょうど退屈していたアイサは二つ返事を返すと、彼と共に町へと出かけた。


 彼にとっては初めての町。

 アイサにとっては久しぶりの町。


 町はもうすっかり冬に染まっており、祭りを開いているのか子供たちであふれかえっていた。

「ねぇ、何をする?」

 子供ながらにはしゃぐアイサを彼は眩しそうに見ると、

「黒き姫」

「なぁに?サラサエル」

 彼はくすりと笑うと、ポケットからお札を取り出した。

「遊んでおいで」

「え、でも…………」

 アイサは手渡されたお札を見る。
おそらく教会に捧げられていたものだろう。
 しわのよったものから、新しいものまで。
 錆付いたコインもあった。


 貴方は?


 アイサは目だけで彼に問う。
 しかし彼は僅かに笑っただけだった。

「僕はここにいるから、遊んでおいで」

「う……ん。判った」


「行ってくるね」


 笑顔で町の方へかけていくアイサを、彼は手を振って見送った。








―――ああカミサマ。
どうかもう少し、もう少しだけ、


アイサのもとにいさせて―――\r



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