ユラとサキが初めて出会ったのは、広い荒れ地だった。ユラが荒れ地で頭、首から血を流して倒れているのをサキが見つけた。
すぐに病院に連れていったけれど、目覚めるのは三年後まで、かかった。その間サキは泣いて過ごした。
三年後、ユラがようやく目覚めても
「君誰?」
記憶が消え失せていた。サキはショックを受けたが、冷静にユラに向き合った。
「私はサキ。そして、君はユラ。ユラは三年の間も眠っていた。」
「ユ・・・ラ?」
その瞬間、ユラは誰もが恐怖するような物を見たかのような目に変わった。
「誰・・・?あ、ああぁ・・・。うわあああぁっ!!」
「ユラ?」
きっとこうなる前に、記憶の中の恐ろしい物がいきなり蘇ったのだろう。たまにそういう事がある。
そして、病人は戸惑う。しかし、ユラは思っていたより、冷静に自分を思い出し始める。忘れているのは自分の記憶だけのようだった。
「僕は・・・。」
何と無くユラは自分の名前を思い出し始めている。
「・・・ん?サキ、この傷?は何?」
見ると、ユラの首に噛み付かれたような傷がある。
「・・・・!」
サキは一瞬退いた。
ユラは驚いた。