「らしくないわね」
女友達にに言われた一言。
俺の名は 五十嵐 公平今はとあるバーでババァと晩酌している。
「何?そのイヤリングは、片方だけじゃないの」
「これ?」
ふっ、と思い出す。
あいつとの思い出は、全くもって嫌なことばかりだ。
……なのに、
「あら、これってティファニーのオープンハートだわ」
「…さすがはセレブだな」
「?愛着あるの?」
……………
あの時、俺達は若かったな…
そうだろう?沙絵――
―――――春
『やだぁ、もぅ!』
当時、沙絵――久保田沙絵は俺と同期で大学に――ま、同級生だ。その頃俺は、遊びまくりなサボリ学生だったもちろん、今もだが。
ある日、階段で俺と沙絵は出会った。
と、言うのも彼女が落としたイヤリングを拾い、追い掛けて行ったのだ。
『すいません!落し物ですよ!』
『あ、ありがとう、無くしたら大変だったわ!』
と、段々会話が進んでゆき、いつしかイヤリングを忘れていた。
そう、彼女はシンデレラだったのだ。