視界良好、雲1つ無い快晴。飛行条件には問題ない。
だが…
「こちらフリッツ・ハールマン応答を願う」
連絡が途絶えてもうすぐ1時間がたとうとしていた。だが一向に返答の気配はない。
「どういうことだ…この空域、いつもと違う」
いつも同じ空で訓練しているフリッツからすればそう思うのも当然だろう。
眼下に見える海の色、遠くに見える大陸の形、そのどれもがいつもと違った。
2時間前
フリッツ・ハールマン。アメリカ空軍に所属する23歳のパイロット。
この日はかつて最強と言われたF22ラプターの後継機F25ラプター?のテスト飛行の日だった。
フリッツは誇りを感じていた。最新鋭最強の戦闘機に乗ることができる。それはこの国を守る英雄と成り得る証でもあるからだ。
言ってみればこの日の空はフリッツにとって晴れ舞台だった。
まさかこれから相棒のF25といっしょにあの伝説の生き物と空を駆け、悪者退治するなんて夢にも思わなかった…