「それで?」
お茶を出しながらアキに言われ、特に用がない自分に気付く。
「あ、いや、元気にやってるかなって」
「うん、元気。美樹ちゃんも艦の皆も優しいし」
「ん、よかった」
「………」
「………」
「…………?」
話題が無い。来た理由も、考え付かない。
ハルはその場しのぎに適当に振った。
「そう言えば、アキはあの晩何やってたの?」
“UnhappyNewYear”の晩、あのバス停で始めて逢った日の事だ。
「……わからない」
「え?」
急に真顔になったアキは記憶を探り直しているようだ。
「何かからか逃げてたの。それでハルに逢ったのかな」
「だけど笑って……それに“The God Of Day”の攻撃があるって知ってたじゃないか」
「どうしてだろ………人工雪じゃない雪を見ながら歩いてたら自然にあのバス停に足が向いてた。そしたらハルがいたんだよ。それで攻撃に巻き込まれて、その後はいつの間にか軍にいたの」
「へぇ〜」
「なんだか運命の赤い糸みたいね!」
口にふくんだ茶を吹き出してしまった。
「あは、冗談よ」
遊ばれているのか、俺。
ただ、そんな関係があってもいいと思うハルだった。