俺には幼なじみのカオルがいる。
カオルは昔は背が高く、俺のことをチビだっていじめていた。今ははるかに俺の方が背が高い。
しかしあいつは、俺だけにはいつも強がって、俺に涙一つ見せた事がない…。
ある日の事だった。
カオルはレイプにあった。同じ大学の先輩だったらしい。
真っ先に俺はカオルに会いに行った。だけど俺は、これっぽっちも言葉が出てこなくって、下を向いて泣いてしまった…。
カオルは背伸びをしながら俺の頭をさすり、笑いながら
『こんな事で私がくじけるかって!顔がイイのは考えもんだなぁ〜〜トカ言って。大丈夫だよ。私は大丈夫』
俺が顔をあげるとカオルは初めて俺に泣き顔を見せていた。
…抱きしめてやりたかった
…抱きしめてやれればよかった
なぁ神様よぉ…
俺にドラえもんにならしてくれないか?
そしたらあの時のカオルを助けに行けるだろ?
…でもカオル、
俺は明日からお前のドラえもんになってやるからな
…
その日俺は家に帰り
母さんに頼んで
ポケットに『四次元』と縫いつけてもらった。