むかーしむかし
っていっても僕が小2の時くらいだったかなぁ、その日の僕は一人ぼっちだった…。
それに、その前の日も僕は一人ぼっちだった…。
僕は三日前に親を亡くしていた。
僕はおやじが金曜日からの三連休、僕の大好きだった「セミ」を一緒にとってくれる約束をしてくれてた。
でもおやじはお袋と一緒に命をたったんだ…。
その時は僕自身全く信じなかった…。
だっておやじが約束を破る事は多々あった。
だから金曜も僕は一人でセミを取りにいった。
でも一人で行くと「セミ」自体がすごくでかく感じて、それに「セミ」が長くいきられない事も知っていたから…怖くって取る事ができなかった。
でもこれじゃダメなんだよね?
これから僕は一人で生きなくてはならないんだよね?
セミの鳴き声が俺の胸にぐっと届いた。
その時独特な鳴き声のセミに目がいった。
そのセミの大きさに、恐怖感などなかった。
そしてそのセミを手に取り、
そのセミは僕のテリトリーで…
『ツクツクホウシ、ツクツクホウシ、ツクツク法師、ツクツクホウシ・・・・・』
私は涙が止まらなかった。小さな俺にとって親との時間はセミの命程の短い思いでであった。それでもおやじやお袋やこのセミは、俺に関わり、俺の人生の支えとなってくれた。だから俺は生きていけた。
ねぇ辛くても支えはちゃんとあるんだね・・。
家に帰った僕は、
その「セミ」に、
『一瞬法師』と名付けた。