護衛開始から一週間がたった。しかし何もおきない。
それはいいことなのだが何かひっかかる。
一応、遥にも村上碧について調べてもらったが、やはり理由が出てこない。
親は大会社の社長で、兄が一人。兄はかなりの高学歴で、親が経営する会社に勤めることが決まっている。会社は実力主義で後継者争いは関係ない。
これだけ見るとやはり狙われる大きな理由がない。
「とりあえず護衛だ。」
理由が見つからないからといってサボるわけにはいかない。
今は歩と村上碧は体育館で朝礼をうけている。
薫はあいかわらず見回りをしていた。
「とくに異常なし・・・なのか?」
校舎には自分以外いないはず・・・だった。
「誰だ?」
誰かの気配がする。
その場所は保健室だった。
薫はそっと聞き耳をたてた。
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ。」
中から歩と村上碧の声がする。
朝礼中に抜けてきたらしい。
薫はホッとした。
「お前らどうしたんだ。」
中に入っていく。
「あ、先生。私が調子悪くなっちゃって。」
村上碧が説明した。
そっと周りに耳をすませる。時計の音がする。
「ふせろ!!」
薫が叫ぶ。
ドカーン!!