『俺のコト、そんなに心配してくれてたんだ‥‥。』
聖人は、あたしの顔をゆっくりと覗き込んだ―\r
その端正な顔立ちと、
男の子なのにキメ細やかな綺麗な肌、
そして―\r
長い睫に―\r
あたしは思わず見とれてしまう―\r
こんなに明るい場所で、聖人の顔をまじまじと見たのは初めてかも‥‥‥。
あたしは恥ずかしくなって、思わず視線を外してしまった。
『心配してくれてサンキュ。でも俺、そんなにバカじゃないぜ。
喘息の薬だって飲んでるし、今は良い薬も出てる。
心臓の方も俺の場合は、欠損している穴が比較的小さいから、手術は様子を見てからでいいんだ。
現状では、無理にする必要ないって言われてるし。』
聖人は、自分の喘息と先天性の心臓疾患の話を、
こんなにも真剣に、あたしに説明してくれたんだ―\r
あたしは嬉しかった―\r
嬉しくて、嬉しくて、また胸が苦しくなった―\r
何故だろう―\r
決して明るいキモチになっちゃいけない話題なのに―\r
多分それは―\r
聖人と真正面から向き合えたのが初めてだったというコトに対して、
あたしは、どうしようもなく嬉しかったからに違いなかった‥‥‥。