魔法剣ソードメーカーの国、ジャストランドの中心にある首都「ビネス」には、国王の住まう城「マジックパレス」がある。
その「マジックパレス」では、会議室で緊急会議が行われていた。
「『ベイス』が破壊されただと!?」
白い口髭をいじりながら、一人の初老の男が、鋭い目で報告書に目を通した。
「ええ。しかも、住人の大半を虐殺してます。…ソードメーカーによって…ですが…」
剣を腰に提げた若い男が、気まずそうな顔をした。
「それで、やったのは誰なのかね?」
「…分かりません。ただ、一部の話によれば、光のソードメーカーの仕業では無いかと…」
若い男の言葉に、会議室は騒然となった。
「なんて事だ!これは宣戦布告だ!」
「許せぬ!直ちに戦争準備をせねばならん!」
これらの好戦的な意見が、会議室の至る所から噴き出した。
「静まりなさい!」
その騒然となった会議室の空気を、一人の女性の叫び声が切り裂いた。
「我ら魔法剣ソードメーカーは初代ジャビネスより、平和を愛する事で他国よりも秀でてきました。何の確かめもせずに憶測のみで戦争に踏み切るなど、愚の骨頂でしかありません!」
この厳しい言葉に、会議室に居並んだ人々は一斉に口をつぐんだ。