とりあえず今日は野宿しかない。ミイを呼びにいかなくちゃ。
「・・・!!」
雑木林に、赤い毛の塊が倒れていた。正式には捨てられていたのだろう。これは・・・?
「ミイ・・・・!」
塊を裏返すと、ミイだった。あのあどけない顔の。
「え。何これ?」
嘘だ。嘘だよ・・・これはミイじゃない・・・ミイは・・・こんな・・・・死んでないよ・・・。
いきなり涙がこぼれた。・・・嘘だよ・・・嫌・・・。
「!!」
ミイの体には、拳銃で撃った痕があった。
日本でこんなところで拳銃を発砲するのは・・・警察?
その時、悲しみが全部憎しみに変わった。警官が、ミイを気味悪がって、発砲する様子、笑いながらミイの死体を踏み付ける様子、それらが頭に浮かんだ。
「・・・殺してやる・・・!!!!」
証拠隠滅のために持っていた、あの、塾の生徒を刺し殺した包丁を片手に、私は村におりた。ミイは、雑木林に埋めた。悲しかった。