「それで…あなたは?」
彼女は興味深そうに聞いた。
「僕?名前は…まだだっけ?」
微笑みながらサクラは首を横に振った。
「あぁ…名前はロビン。ロビン・ウォーカー。26歳。仕事はファッション雑誌の編集をしてるんだ。ずっと憧れてた仕事だからやり甲斐もあるし楽しいよ。」
一目惚れをした女性を前に僕の緊張は最高潮で、少し俯き、髪をあたりながらながら答えた。
「素敵!ファッション雑誌だなんて!私ファッション雑誌大好きなの!どの雑誌なのかって聞いても…?」
少し興奮しながらサクラは聞いた。
「うん。知ってるかな?”Bijou”って雑誌なんだけど…」
ガタッ!!
急にサクラ椅子から立ち上がり叫んだ。
「うそっ!凄い!”Bijou”を知らない女の子なんていないわ!どんなモデルも女優もあの雑誌の表紙を飾るのが憧れなのよ!?」
そう。
僕はその老舗ブランド雑誌の編集者。
仕事の話しで思い出してしまった。
明日までの新企画…どうしよう…。
口に手をやり、考え込んでしまった僕を見てサクラは不安げに聞いた。
「あの…、ごめんなさい。何か失礼な事言ったかしら…?」
はっと我にかえり慌てて彼女に答えた。
「違うんだ。あの、実は明日までに新企画を提出しなきゃならないんだけど、全くアイディアが浮かばなくて…」
頭をかき、ロビンは窓の外を眺めた。
「そうなの…もし私で力になれる事があったら言ってね?ごめんなさい。忙しいのに時間を取らせてしまって。」
彼女はそう言って少し俯いた。
「いや、ありがとう。」
僕は俯く彼女を見つめた。
それにしても凄く綺麗な人だ。和美人だな。
和。
日本…
「それだ!」
興奮した僕は思わず彼女に向かって叫んだ。
「なっ、何が!?」
サクラは驚いて目を見開いた。
「新しい企画だよ!あぁ、サクラ!君のお陰だよ!ありがとう!」
ロビンはとても興奮しながら私の手を握ってた。
私は何の事か全くわからなかったが、彼の笑顔はとても素敵だった。