カメラと黒髪 #5

 2008-05-09投稿
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「アレ?希美、あなたメガネは?」

家で皿洗いを手伝っている最中母親に突然指摘された。
カバンの横には出しっぱなしのメガネケース。
メガネだけが無い。


―部室だ!!!―\r


「ア…アレ?どーしたっけなー?多分教室に忘れちゃったかな?」

「大丈夫?疲れてるんじゃない?」

「大丈夫、大丈夫!さてと、お風呂入ります」



湯船に浸かりながら考えるのは数学の公式と英語の文法と…アキさんのことと…理科の元素記号と…アキさんのことと……。

「集中出来ない……!」

―いつもの何倍も体が火照った気がする。―\r


机に向かって教科書を開いて、ノートを開いて。
ここまで準備すれば後は勉強するだけ。

しかし頬にはアキの手のひらの大きな感触が残っている。

「っあーもう!集中、集中」

今度はだんだん我慢している自分が虚しくなって涙がでてきた。
―なんで志望校落ちたのにまだ頑張ってんだろ。―\r

「っやだ…助けて、アキさん」
勉強一筋の決意は早くも揺らぎ始めていた。


翌日、メガネを取りに部室に行ったがさすがにまだ鍵がかかっていた。

「まいったなぁ」

予備のメガネは本当に度が入っており、あまり目にはよくない。

そのとき、校内アナウンスで守山アキの名が呼ばれた。



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