とある街の郊外
その中でも人の流れがまばらな道のかたわらに三階建ての建物がある。
大きさだけならかなりのもので二つの家族が一階ずつ入ってもそれほど窮屈には感じないであろう。
ただ状態は酷く建物の三階部分はガラスが入っておらず屋根も酷い状態のようだ。
その前に立ち眺めている男がいる。
眺めている男はため息をつきつつ眺めたあと入り口と思われる所に歩き初めた。
その顔に懐かしさの感情が浮かんでいるようにも見えなくもない。
建物に入ると外見の期待を裏切らず酷い状態だ。
住居人は何人かはいる様だが綺麗にしようという意識はまるでないらしい。
時間があればそのまま廊下の片付けまでしそうな勢いで歩いていく。
苦労して二階のある場所までたどり着くと
扉には
〈バイエルライン事務所〉
の札が掛かっている。
先に書いた左半分はそれなりに丁寧に仕上げ様としたようだが右部分はかなり雑だ。
それをみてなんとも言えない顔を浮かべつつノックをする。