―ほどけて消えた…君の詩。 「何をしに来たの?」リクが人物を睨み付ける。人物はリクに礼儀正しくお辞儀をすると、小さく口を開いた。「今日は、勇者にお目にかかりに来た。」人物がそう言うと、リクはアクセルを一回見、人物を更に強く睨んだ。人物がアクセルを見る。アクセルはハッとして立ち上がった。「………!」アクセルが人物を力強く睨む。人物はフッと笑うと、アクセルに言った。「元気そうだな。」アクセルが首を微かにかしげる。何でそんな事を気にするんだ…? 人物はそんなアクセルを見ると、クルリと後ろに向いた。アクセルが首を元に戻す。「ちょっ…どこ行くんだよ!突然来やがって!」人物はアクセルの方を一度だけ振り返ると、フッと消えてしまった。「あ!」アクセルは声をもらす。だが、すでに人物の姿はなかった。リクが拳銃を下ろす。アクセルが唖然と人物が立っていた場所を見つめた。時が、いつの間にか動き出した。 「どう?世界を救う気になった?」リクが腕組みをしながらアクセルの顔を覗き込む。アクセルは首をかしげた。「う〜ん…その前に、ちょっと質問させてくれよ。」リクは眉毛を片方上げて溜め息を着いた。「はぁ。…ただし、条件付きよ。」アクセルは何度もうなずいた。リクがう〜んと考え込む。「まずは、そうね…」だが、リクが言う前にアクセルが叫んだ。「ユキとスカイを見付けられるか!?」それが一番聞きたかった。リクが目を真ん丸にした後、クスリと笑って言う。「ふふ、大丈夫よ。ただし、いるかもしれない、だからね。いい?」アクセルは少々下を見たが、リクの目を見て言う。「だ、大丈夫!」リクはこくりとうなずく。アクセルは「それと―…」と続けた。「さっきの奴は、何だ?」真剣な顔つきで言ったアクセル。リクは「避けて通れないなこりゃ」とさとった。リクが上目気味で溜め息を着く。「…まったく、嫌なんだけどね…」リクはアクセルに向き直り、重い雰囲気で喋り出す。「アイツらは―…」