カメラと黒髪 #8

 2008-05-09投稿
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希美は硬直したが、すぐに謝った。

「いいよいいよ。俺たちそういうんじゃなかったから。単純に写真好きの仲間だった」

活き活きした表情で、白いワンピースやビキニ、制服やちょっと高価そうなドレスまでを着こなしている。
この人がまさか亡くなっていたとは希美は予想していなかった。

「生きていればちょうど3年生かな。最後の年。」

「私なんかが部員になっても大丈夫なんですか…」

「負けず劣らずってとこかな、この…」

アキの両手が顔に触れ、メガネが外された。

「メガネを取れば」

アキが目の前にいる。

今なら。

「アキ……」

「ん?」

心臓が早すぎてうまく喋れない。

「あ…………」

「あーやっぱりキレイだ。はっきりした顔立ちだから写真によく映える」

―?あ。そういうことか。
私は被写体としてしか見られていないのか。―\r

思いながらも希美は必死に笑顔を繕う。

「笑顔もいい、そうだ。今度この写真の海に行かないか?」

―それは被写体の私を連れてくだけってこと?それとも―\r

「行きましょ!ここスッゴい綺麗だから羨ましいなぁって思ってて」



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