「あ、当たり前でしょうが!って、何これ!?」
ミリスは自分が今着ている服が、以前のと変わっている事に気付いて、顔を真っ赤にした。
「あ、あんた、まさか私の…は、はだ…」
「大丈夫、着替えは女性騎士がやってくれたから安心してくれ」
ロザラムはそれを見て、笑いを噛み殺したような顔をした。
「…ならいいけど…ちょっと待って!町はどうなったの!?父さん母さんは!?ロイは!?」
ミリスは慌てた表情で、矢継ぎ早に質問をぶつけた。「おじさんやおばさんはまだ息があったから、取りあえず回復魔法を掛けて、ゆっくりしてもらってるよ。町は全て瓦礫と化しててね…残念ながら、町人全員の死亡が確認された。ロイ君も…」
そう言いかけて、ロザラムは口をつぐんだ。
「そんな…!」
ミリスは目の前が真っ暗になるような感じがして、たまらず口を押さえた。
「ロイ…」
瞳から大粒の涙が溢れてくるのを感じ、一瞬、ミリスは戸惑った。
どうして、何故、こんなに悲しいの!?―\r
よく分からない感情が溢れてきていたが、気丈な性格である為、ミリスは瞳から流れてくる涙を急いで拭い、顔を上げてロザラムにいつもと変わらぬ表情を見せた。