今日もあの人は泣きながら帰って来た。いつも夜になっては、出掛け、泣きながら帰って来て、うずくまる。
「なんで私が・・・!私が何したわけ!?ううぅ・・・っ酷いよ!友達だったのに・・・!」
とりあえず一時間くらい泣きじゃくる。
「どうかした?」
あのひとは泣き腫らした顔を上げた。綺麗な顔が台なしだ。そして、僕に告げた。
「大丈夫だから、私は大丈夫。」
いまぼくは、あの人の言葉がはっきり分かる。わからないのは名前だけだ。もう一緒に暮らして四ヶ月になる。
「ミイは、こんな私が好き?」
大きな目が細くなる。
言葉の意味は解らなかったけど、何か始めるつもりだと思った。
次の日、あの人は血だらけで、帰って来た。その顔は、嬉しそうだった。