最近あの人は、血だらけで帰って来ることが多い。
あ、ちなみにあの人の名前が最近分かったんだ。名前は、亜梨沙。塾って所の専門の本に書いてあった。
いつの間にか漢字も読めるようになってた。う〜ん。一人、関心していると、
「ミイ、おいで。」
亜梨沙に呼ばれた。僕は肩に乗っかった。
ワクワクしている。お出かけなんて久しぶりだ。
「着いたよ。」
「?」
そこは、人の家だった。門の札には、「中多」と書かれている。亜梨沙は黙ってドアを開けると家に上がり込んだ。
「おい!勝手に入ってんじゃねーよ!聞こえねーのかよ!」
うわっ!
ケバい女子高生?くらいの人が亜梨沙に罵声を浴びせている。
「五月蝿い。」
瞬間、女はうっと呻いて倒れた。
何が起こったの?
ただ、亜梨沙は微笑んでいた。
「ありがとう。」
そういって亜梨沙は僕を抱きしめた。
珍しく、亜梨沙の事が怖かった。
亜梨沙、やめて。